松江データセンターパークへの導入(前編)

日付:2017年01月24日 火曜日
テーマプロダクト&サービス

はじめまして、IIJ 堀田と申します。
現在、島根県にある 松江データセンターパーク(以下、松江DCP)に勤務しています。まず最初に、ここ 松江DCP について簡単にご説明します。
商用として国内初となる外気冷却コンテナユニットによるデータセンターとして 2011年に開設した施設です。外観も通常のビル型データセンターとは大きく異なっており、IT機器が収容されたコンテナがずらっと並んでいます。また、空調による電力消費を抑えるために外気を利用した冷却方式を採用しています。クラウドに最適化されたインフラを構築すべく高密度化と省エネ化を追及して IIJ独自で設計したデータセンターとなります。ちなみに、この地域が「クラウド(雲)が出ずると書く『出雲』の地」ということで、コンテナ(ITモジュール)を IZmo(イズモ)と名付けています。

敷地としては2つのサイトに分かれており、それぞれ中国電力の異なる変電所から本線予備線の2系統で受電しています。
高圧受電している IIJ所有の施設となりますので、早速トライアル提供中の IIJ高圧スマートメーターBルート活用サービスを使ってみることにしました。前編後編2回にわたり、導入までの様子をお伝えしたいと思います。

Bルートサービス利用開始までの流れ

Bルートサービスを利用するまでの流れは、以下の通りとなります。

  1. Bルート利用申込書を提出(IIJ ⇒ 電力会社)
  2. 現地調査(電力会社)
  3. 構内配線工事、ゲートウェイ機器等の準備(IIJ)
  4. スマートメーターに交換(電力会社)

Bルート利用申込み

まずは Bルート利用の申込みが必要となります。電力会社によって申し込み方法が異なるようですが、私たちの場合は普段お世話になっている中国電力様の営業の方へ申込書を直接お渡ししました。
申込みをすればすぐにスマートメーターの設置に取り掛かってもらえるかと思っていたのですが、工事の際にユーザ側(IIJ)が用意した LANケーブルを伝送装置に繋ぐところまで行う必要があるそうです。つまり、事前に構内配線など我々ユーザ側で必要となる工事を完了させておく必要があります。

現地調査

松江DCP の場合、スマートメーターは高圧引込盤のキュービクル内に設置することになりますが、そのスペースに問題がないか等を確認しておくために、事前に現地調査があります。実際には、メータ交換だけではなく、ゲートウェイ機器にデータを送る伝送端末という機器も設置しますので、それらの機器が干渉することなく設置できるかを確認しておく必要があります。
以下は、スマートメーター取り付け前の写真です。


ゲートウェイ機器設置場所の選定

ゲートウェイ機器もいろんな環境に置いて試してみることにしました。社内で検討の結果、以下の場所を選定しました。

オペレーション室 盤内

普段オペレータが業務を行っている部屋にある盤内に設置。
空調管理も行き届き、人間はもとより機器にも優しい環境です。

UPS室

UPS(無停電電源装置)と呼ばれる設備のある建物内に設置。
こちらも空調で適切な温湿度状態に管理されており、機器の稼動にとっては適した環境です。

EPS室

電気の配管設備等がある EPS室内に設置。
空調設備は無く、屋外とは扉一枚だけで隔てられた場所となります。

高圧引込盤

屋外の高圧引込盤(キュービクル内)に設置。
空調設備はないので、精密機器には優しくない環境です。

室外ボックス

屋外の日の当たりのよい場所に置いたプラボックス内に設置。
夏冬はかなり過酷な環境になると思われます。


ここまでで導入に必要な手続き・設置計画などを完了しました。
次回後編にて、実際の工事〜設置の模様をお伝えします。