ECHONET Liteの認証制度について
IIJ 畠山です。
今回はECHONET Liteの認証制度について解説いたします。
ECHONET Liteの認証は2種類
よく一括りにして「ECHONET認証」などと呼ばれますが、ECHONET Liteの認証は2種類あります。
1つは「ECHNONET Lite 規格認証」、もう1つは「AIF仕様認証」です。
ECHNONET Lite 規格認証
ECHNONET Lite 規格認証とは、ECHONETコンソーシアムで規定として定義しているECHNONET Lite 規格及びECHONET機器オブジェクト詳細規定に適合しているかどうかの試験を行い、その試験結果を元に認証機関が適合・不適合を判定し、適合した場合に付与される認証です。なお、適合試験は認証の提出元(製造メーカーなど)で実施します。
試験仕様書や試験ツールは、ECHONETコンソーシアムのページにて公開されており、それらを使って試験し、試験結果を認証機関へ提出する流れです。
ただし、低圧/高圧スマート電力量メーターに関しては、認定試験機関による適合試験実施が義務付けられており、他の機器とは異なっています。
AIF仕様認証
まず、AIFとは「アプリケーションインターフェース(Application InterFace)」の略です。
AIF仕様は、主に機器間の相互接続性の向上を目的として、機器のアプリケーションレベルでの振る舞いを規定した仕様です。こちらも、ECHONETコンソーシアムによって規定・定義されています。
2019年8月時点でAIF仕様の対象となっている機器は、
- 低圧スマート電力量メーター
- 高圧スマート電力量メーター
- 太陽光発電
- 蓄電池
- 燃料電池
- 家庭用エアコン
- 照明機器
- HP給湯器
- 瞬間式給湯機
- 電気自動車用充放電器
- 業務用パッケージエアコン
- 業務用ショーケース
- 照明システム
の13機器となっています。
AIF仕様認証の適合試験は認定試験機関による実施が義務付けられています。
なお、AIF仕様認証を取得するためには、ECHNONET Lite 規格認証も取得していることが前提となります。
スマート電力量メーターの認証を取得する場合は、ECHNONET Lite 規格認証とAIF仕様認証の2つの適合試験を認定試験機関で実施する必要があります。
認証取得費用は?
気になる認証取得費用ですが、、、認定試験機関による試験実施、認証機関での適合判定、認証機器の登録などは全て有料です。
実際の金額については、取得するクラスや同時認証取得するクラス数などによって認証機関毎に多少の差異があります。認証取得をご検討している方は、まずは幾つかの認定認証機関にご相談してみるのが手取り早いと思います。認証取得の流れやポイントまで丁寧に説明してもらうことができます。なお、認定認証機関の一覧は以下のサイトに記載されています。
https://echonet.jp/ninsyo_kikan/
認証に合格すると
認証機関による適合試験に合格すると、晴れて「認証取得機」と認定されます。そして認証登録番号と共に、以下のようにECHONETコンソーシアムのページに掲載されます。
最後に
低圧/高圧スマートメーターに関しては、メーター側、メーターに接続する機器側共に、ECHONET Lite認証取得が義務付けられています。
そして、このルールを各社遵守しています。
そのような背景もあり、弊社では全国津々浦々の色々なメーカーのスマートメーターと接続してきましたが、運用時の設定ミスや機器設置・機器故障に起因するトラブルは遭遇したものの、ECHONET Liteの通信プロトコル周りのトラブルには一度も遭遇したことはありません。
自明ではありますが、認証取得のための適合試験によって一定の動作が担保されるというのが、認証制度の大きなメリットの1つです。
製品リリース前の試験で全ての対抗機器と綿密な試験をする必要が無くなりますし、製品リリース後の運用フェーズのトラブル低減の効果も期待できます。