ブログはじめました
IIJの齋藤と申します。初めまして。
この4月から発足した「ネットワーク本部 IoT基盤開発部」という部署で働いています。元々IIJに新卒で入社し、ずっとSEILというルータ製品の開発に関する仕事をしてきましたが、ここ数年はSDNやらIoTやら電力やら、といった多様なプロジェクトに関わるようになっており、なかなかに忙しい日々を送っております。
さて、2016年4月から電力小売自由化が始まり、電力業界がにわかに色々と騒がしくなっています。小売電気事業者登録も続々と増え、スイッチング契約も僅か3ヶ月で100万件を突破したようです。その中で、弊社では直接小売電気事業には参入せず、インフラとして「Bルート」を活用した新しいサービスを構築するための基盤を開発し、同じく4月にリリースしました。
Bルートとは、端的に言うと電力のスマートメーターから直接、消費電力を取り出すことができる仕組みです。これまではCTクランプという器具を使い、分電盤等への取り付けなどの作業を行って実現していた仕組みですが、これをスマートメーターから直接取り出せ、かつ正確な値を取ることができます。しかも、従来行われていたCTクランプ等のアナログ測定手法と異なり、
- スマートメーターで測定された正確な値を取得することができる
- 瞬時電力や瞬時電流が取得でき、直感的に利用状況を把握しやすい
- Aルートの30分値と異なり、30秒程度の短い間隔で、かつリアルタイムに値が取得できる
というメリットがあります。これらを用いて、単なる電力見える化にとどまらず、生活状況の分析や省エネのための各種システムとの連携など、様々な用途が検討され、利用シーンが広がろうとしています。
ただしこのBルート、現時点では残念ながら認知度がそれほど高いとは言えません。いわゆる業界関係者の間ではだいたいの方がご存じな状況ではありますが、一般消費者の間ではまずほとんど知られていない状況かと思います。
Bルートの普及と認知度向上、さらにはIoTまで
Bルート活用のための様々な知見や利用用途について、我々のチーム内でそれなりにノウハウは溜まりつつあります。それらを発信し、Bルート、さらには電力市場をより活性化させるための一手段として本ブログを立ち上げることにしました。「本当にちゃんとデータは取れるの?」「Wi-SUN 電波ってどこまで届くの?」といった実利用におけるノウハウから、Bルート活用アプリなど様々な情報をお届けしたいと思います。
また、私の部署名が「IoT基盤開発部」という大層な名前になってしまったから、というわけでは無いのですが、このBルートの仕組みは、家庭におけるIoT、スマートハウスを実現していくためのパーツとして重要な意味を果たす可能性があると我々は考えています。簡単に言うと、「誰でも使える電力センサが全ての家庭に入ってくる」ということを意味するのです。よく考えるとこれ、凄いことですよね。
もちろん、家庭の中では省エネやHEMSといった観点での活用が基本にはなりますが、より広い視点で考えれば、地域全体でのきめ細かいモニタリングや制御であったり、電力データから類推した生活動向を分析してマーケティングデータに活用したり、など様々な活用方法が今後出てくることでしょう。それらに、各種環境センサやガス、水道等の検針情報を組み合わせていくことで可能性はさらに広がっていくと考えられます。
ということで、弊社サービスにご関心があれば、是非お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いします!