電気計量への新たなニーズ
ken-kです。少しカタめなこのタイトルは、「経済産業省 第15回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 資料6『新たな電力ネットワークの構築に向けた制度・運用について』」から拝借したものです。
この資料は電力ネットワークの課題と将来像を検討するためのもので、のっけから「国民生活や産業活動を支える最重要のインフラ・ライフラインの1つ。」という一文がありまして、読み手としては、いつもお世話になっております感が半端ありません。
掲題のテーマは22ページからで、見出しに「論点整理」とあり、すぐ下の文章では「論戦整理」となっていたりしながら23ページから新たなニーズ例①②③と続きますが、論点と応用が整理されておらず読みにくいです。これを私の理解で以下に整理しました。
論点1. 差分計量による電力売買のバリエーション拡充
「自家消費電力量」=「系統接続メーター計測値」ー「子メーター計測値」を行いたい(複数電源、EV向けメニュー、PPAに応用したい)
※差分計量には、他のバリエーションもある。
論点2. 特定計量器ではない計量器の使用による計量器のコストダウンと利便性向上
2-1. 計量器の表示部をスマホ表示で代替したい(消費者の利便性向上)
2-2. 消費機器に組み込みたい(省エネサービス、デマンドレスポンス取引に応用したい)
2-3. パワコンの計測データを使いたい(差分計量と組み合わせ、PPA、P2P取引に応用したい)
住宅用10kW未満のFIT電源/非FIT電源混在環境での差分計量による逆潮流は、2015年あたりから検討が進んでいたようで、2018年4月1日施行の法令整備まで進んでいます。この資料で一般送配電事業者が差分計量を行うためのスマートメーターやシステムのコスト負担はふれられていますが、対応スケジュールについては資料を探せませんでした。
また、差分計量には様々なバリエーションがあり、自宅の電源毎に売り先が違う、消費機器(EVなど)毎に買い先が違うということも想定でき、”数が少ないと考えられる複雑なケース”とはどういうケースなのか、どこまでのバリエーションをカバーするかを含めて、検討はそう簡単ではなさそうです。
本件動向は引き続きwatchしていきます。