充電スタンドの謎

日付:2018年04月27日 金曜日
テーマ業界動向

IIJ近藤です。

みなさん、車は乗っていますか? シェアリングという言葉が出てくる前から自動車を所有しない人が増えているみたいですが、レンタカーは乗りますよね。

私は自動車を持っていますが、ちょっと気になっているんです「電気自動車」。
電気”だけ”で走る車ですね。ハイブリッドではなく、純粋な電気自動車。

出たての頃は航続距離が短くてチョイ乗り用って感じでしたけど、今はだいぶ実用的になってきています(電気だけで400kmとか走るんですって)。

 

そこで気になるのが、電気料金。ガソリンスタンドの代わりになる電気の充電スタンドの料金ですね。最近では、大型店舗の駐車場や高速道路のサービスエリアだけでなく、コンビニやコインパーキングなんかでも充電スタンドを見かけるようになりました。
が、案外料金って知りませんよね。私も知りませんでしたので、ちょっと調べてみました。

 

まずは電気自動車を販売している日産の充電スポットの料金。

 

NCS充電スポット料金表

料 金(税別)
①ZESP2 使いホーダイプランの方 ②ZESP2 つど課金プランの方
急速充電器 無料 15円/分
普通充電器 1.5円/分 1.5円/分

なるほど、分単位なんですね。日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)使いホーダイプランという有料会員サービスに入っていると優遇措置がある、と。ふむふむ。

 

続いて、イオンモール。日本全国津々浦々にありますからね。行った先でもし充電が切れそうな時はオアシス的な存在になるのではないかと。

 

充電ステーション設置店舗一覧

料 金
急速充電器 300円/30分/1回
普通充電器 無料/60分/1回

 

がっつり30分とか60分とかの単位なんですね。30分でどのくらい充電できるものなんですかねー。

って。

あれ・・・

違和感・・・ ありませんか?

 

なんで時間の単位なんでしょう。

 

ガソリンスタンドは給油”時間”ではなく給油”量”で代金を払いますよね。1リットル 130円、とかそんな感じで。自宅の電気料金も量ですよね。1kWh 20円とか。

そういえば、(最近見ないけど)ファミレスとかにあった100円入れると携帯電話を充電できるアレ。アレも100円で30分とかでしたね。

一人が占有しちゃうと後がつかえていけないから、とか考えていましたが・・・そういうわけではなさそうな。

 

こんな疑問を持ってモヤモヤしていまして。とあるお客様にこの話をしたんですね。
そうしたらそのお客様、こんなことを言うんですよ。

 

客「電気を量で請求できるのは、小売電気事業者だけだからだよ」

私「!?」

「 ・・・ 」

私「いや、まってください。例えば、ビルオーナーがテナントに電気代を請求してるケースがありますよね。ビルオーナーは小売電気事業者ではないじゃないですか。」

客「んー ・・・  確かにそうだね。何か他の要因かねぇ・・・。 」

 

一瞬納得しかけました。危ない危ない。モヤモヤはより深まり、これはいよいよ専門家に聞くしかないと思い立ち、私はその足で某所に飛んだのでした。

 

充電スタンド運営会社に所属しているAさんは開口一番こう言いました。

Aさん「小売電気事業者であるかどうかはあまり関係ないですね ・・・ 。」

私「!?」

Aさん「近藤さんもBルートやっているので計量法って聞いたことがありますよね。アレが影響してるんです。」

私「計量法 ・・・あの、検定済みメーターの値しか料金請求には使っちゃいけないっていうアレですか。」

 

Aさんが教えてくれたことをまとめると ・・・ 。

  • 電気を”量”で請求するには、計量法に基づく検定を受けた「電力量計(電力メーター)」が必要
  • 現在の充電スタンドには、検定済み電力量計(電力メーター)が設置されていない
  • 検定済み電力量計(電力メーター)が設置されていて、この計測値を用いて取引を証明するのであれば “量” による請求は今でもできる

 

そして、Aさんはこんなこともおっしゃっていました。

Aさん「電気自動車は、対応している充電規格やバッテリーの残量次第で、同じ充電時間でも充電できる量が違います。」

私「となると、今の時間制課金はあんまり公平な感じはしませんよね。」

Aさん「なので、”量”で請求する方が良いと思っています。ゆくゆくはその方向になっていくと思いますよ。」

 

今回はとても勉強になりました。少し賢くなった気がします。

今の車のローンが終わったら、電気自動車を考えてみようかな。
けっこう先になりますが ・・・ 。

 

読者の方で、電気に関するお悩み・疑問などありましたらご連絡ください。

気まぐれに調べて、思い出したころに記事にさせていただきます。