Bルート x メッセンジャー (2)

日付:2016年08月16日 火曜日
テーマテクノロジー

ken-kです。新卒で入った会社では、Tandem Computers Cyclone で開発してました。毎朝、マシンルームに入って「っしゃ!、火ぃいれっぞー!」と元気にCyclone(開発機)を起動してたのは良い思い出です。おっさんです。

Tandemってほんとに面白いマシンなんですよ。当時、GURDIAN OSによってソフトウェア的にフォールトトレラントを実現したマシンで、稼働中にCPUボードを引き抜いても処理が止まらないし、プロセス多重、並列分散処理がベースなのでユニットを増やせば性能がスケールするという立派な変態(いい意味で)マシンでした。そんなわけでTandemはOLTPのフロントエンドによく使われてました。主要開発言語はTAL(Transaction Application Language の略で、 “タル”と呼称、語尾上がり)という独自言語で、NonStopプログラミングという技法がありました。寝ずにコードを書く技法ではありませんよ? そしてその後、Tandem Computersという会社名は無くなってしまいましたが、HPE社で後継製品が生き続けています。

構成概要

さて前回は、メッセンジャーとbotを中心にご案内しました。前回のムービーなどで見ていただいたものはモックアップで、directとbotのみで構成し、外部システムとの連携は無く、グラフの画像はあらかじめ作成して仕込んでおいたものを表示させていました。botの動作を設計する際は、モックアップを作って操作感を確認し改修を繰り返します。コマンドとなるテキストをどうするかも大切です。AIや自然言語処理をするとシステムが大きくなるので、手軽に開発するにはコマンド=テキストとします。例えば電力使用量を見たい時に送るテキストは、W、使用量、利用量、グラフなどが想起できますが、他にはどういうテキストがありそうでしょうか? もちろん、スタンプにコマンドの意味を持たせる方法もあります。

モックアップの構成図

モックアップの構成図

今回は予告通り、Bルートとメッセンジャーをつなぎます。メッセンジャーによって「IoT」と「人」をつなげるコンセプト。その実装例であると拡大解釈してください。もちろん、Bルートとメッセンジャーが直接つながるわけではありません。間にはbotなど幾つかのシステムが入ります。ということで、構成はざっくりこんな感じです。顧客情報管理システム(CIS)に相当する機能は省略していますので、アカウント管理・制御は、手作業で仕込んでいます。directは、企業が契約してエンドユーザ(電力の需要家)にアカウントを配布する形を想定しています。

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構成要素
説明
direct メッセンジャーシステムです。(今回はdirectのSaaS版を利用しています)スマホにはdirectのスマホアプリを入れています。
ワット君 botです。directのユーザとして登録します。今回から外部システム連携します。
利用量監視アプリケーション 新規に開発してもらいました。IIJスマートメーターBルート活用サービスのPMSからAPIでデータを取得・蓄積し、botの要求に基づいてグラフを生成したり、閾値超過などのイベントを検知してbotに通知要求を出します。
PMS (Power Metering System) IIJスマートメーターBルート活用サービスを構成するクラウドシステムです。Bルート接続用ゲートウェイ機器の集中管理機能(SACM)、Bルートデータの蓄積・管理機能(MDMS)を持っています。
SA-W1 スマートメーターのBルート接続用ゲートウェイ機器です。SA-W1、SA-M0の2機種がありますが、ken-kの自宅はSA-W1を設置しています。

新生ワット君

では、新しいワット君がどのような動きをするのか、下の図を見てください。「W」(ワット)というメッセージを送って2回タップ(セレクトスタンプをタップ、選択肢をタップ)するだけで、30秒毎の瞬時電力値をグラフ化したものを見ることができました。これは、あらかじめ仕込んだ画像ではなく、ken-k自宅のBルートデータが蓄積されているPMSから利用量監視アプリケーションがデータを取得し、グラフを生成しています。見せ方としてこのようなグラフが良いのか、表が良いのか、他のやり方が良いのかはまだまだ工夫が必要だろうと考えています。

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裏で動いている構成要素間のやりとりをシーケンスで描くと、こうなります。ken-kは私です。PMSよりも右側には本来はSA-W1とスマートメーターがありますが省略しています。どうですか?シンプルですよね。

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ここまでくると電力だけではなく、いろんな応用が頭に浮かんできませんか? メッセンジャーによって「IoT」と「人」をつなげるコンセプト。ネットワークカメラで動体検知したら写真を送るbotとか、自宅のドア開閉を通知するbotとか、、、様々なサービスをメッセンジャーという一つのフロントエンドに集約できるのです。しかしこのブログは弊社独自調査によると日本で唯一のBルート専門ブログですので、次も「Bルート x メッセンジャー」で攻めます。次回は、使用電力量が閾値を超えそうになったらPush通知、というのをやってみます。

ところで、IIJはdirectの販売店なんです。ちょっと使ってみようかな、と思ったら、こちらへどうぞ!(→ https://biz.iij.jp/public/application/add/33