卒FITに向けてLEAF導入を検討してみる(2) 飛び込みのスマートハウス営業を受けてみた

日付:2018年10月09日 火曜日
テーマ業界動向

tsaitoです。

先日、家で晩酌しながらくつろいでいましたところピンポンが鳴りまして、普段は自分が出ることはないのですが、たまたま自分が対応したところ「スマートハウスの導入提案のご案内をしてまして」という飛び込み営業でした。ちょっと面白そうなので色々と話をするうちに「あぁーそうですね、そろそろ2019年問題とかありますもんね」などと妙に盛り上がってしまい、「後日あらためて詳しく提案させてください」という展開に。そこで色々と実態を聞くことができたので、ちょっとご報告してみます。このブログのネタにできるかな、という気持ちがあったことは否定できません(笑)。

場所は家近くのコメダコーヒー、先方は営業の上司を連れてきて、1時間ぐらいお話しました。

どういう営業トークをしてきたか

彼らの言うスマートハウスは端的に言うと

    • 太陽光パネル+パワコン
  • エコキュート
  • 蓄電池

のセットの提案という極めてシンプルなものです。HEMS や IoT 的な要素を彼ら自身がアピールすることはなく、今後はZEHなどの普及促進もあり災害時のライフラインとしても活用できるので是非いかがでしょうか、というものです。彼らの強みは、メーカーに縛られることなく、どこのメーカーのものでも、お客様の環境に合わせて最適なものを提案できるということだそうです。なかなか良いですね。あとは、卒FITに向けての煽りトーク。「FITが終わると買い取り価格がどうなるか」などの資料を見せられました。

シミュレーションしてもらった

せっかくなので、事前に用意してきた我が家のここ3年ほどの売電/買電量のデータを見てもらいました。指摘されたポイントは次のものです。

  • 平均の売電量が月間でだいたい 150kWh ぐらい。1日あたり 5kWh ぐらい。
    蓄電池の容量はそれぐらいを目安に検討するとよい。
  • 夜間の消費電力量が一般世帯より多い。
    → エコキュートを使っているにしても、一般的な世帯よりは3割ほど多いようです。
    ちょっとこのあたりは原因良く分からず。
  • 全体的な消費電力傾向も他世帯から比べると多い。
    → エアコンが多かったり、電化上手にはしているものの
    日中に義母がずっと家にいるなど、それなりに使っている状況なので仕方ないかなと。

なんというか普通に状況を分析してもらった感じで、ことさら無茶な煽りを入れてくる感じではなく、好印象でした。

蓄電池の導入ってどうなの?

自宅は太陽光パネルとエコキュートを導入済みなので、提案を受けるとすれば蓄電池です。ということで、いくつかメーカーを紹介してもらいました。取扱メーカーはざっと、

  • ニチコン
  • パナソニック
  • オムロン
  • DMM.make

あたりで、複数社の取扱ができるようでした。DMM.make も結構人気があるようですね。それぞれ特徴はありますが、ニチコン が比較的実績があり、信頼性、寿命についても定評がある、という紹介でした。あと、残念ながら東芝 EneGoon は販売受付終了だそうです。

蓄電池の利用方法

大まかに言うと、FIT卒業前と卒業後の2つの使い方に分かれます。

  • FIT 卒業前
    • 電気はなるべく売った方がコスト効率が良いので、深夜・早朝 (23:00~7:00) の安い電力で蓄電し、7:00~10:00 or 19:00~23:00 の、パネルの発電量が小さい時間帯に使う(放電する)
    • 昼間発電して余った電気は蓄電せず積極的に売電する
  • FIT 卒業後
    • 電気はなるべく自家消費したいので、昼間発電して余った分を極力充電に回し、夜間に使う(放電する)

ということで、FIT卒業前に導入してもそれなりの効果は出せる、という想定です。具体的に導入費用との収支計算するとどうなるか…ですが。

蓄電池の選定ポイント

蓄電池を選定するにあたり、ポイントとなるのは以下の観点です。

  • 全負荷か、特定負荷か
    • 災害による停電時、家の電力すべてに供給可能なのが全負荷タイプ、そうではなく、特定の系統にのみ供給可能(リビングの照明や特定のコンセント等)なのが特定負荷タイプです。災害時の備えをどうするかによっても変わってくるでしょう。
  • ハイブリッドタイプかどうか
    • 太陽光パネルのパワコンの機能を兼ねたハイブリッドタイプというモデルもあります。パワコンの寿命は概ね10~13年ぐらいと言われています。もし寿命が近い状態で蓄電池を導入する場合、パワコン単体で30万円近くすることもありますので、これの交換も兼ねることでハイブリッドタイプの方が安くつくケースもありそうです。
  • 寿命・サイクル数
    • メーカーによっては、充放電サイクル数に仕様としての上限値を定めているケースもあるそうです。ニチコンの蓄電池であれば20年程度は持つ想定のため、選定としてのポイントは高くなるそうです。
  • コスト/充電容量
    • もちろん最終的には価格が重要です。充電容量が増えるとコストも上がります。

我が家の発電量から換算すると、7.2kWh ぐらいの充電容量を持ったものがよいのでは、という話でした。

蓄電池のコスト

ということで、ずばり価格を聞いてみました。充電容量12kWhぐらい、ハイブリッドタイプのもので、ざっくりと工事費込みで販売価格は280~300万円くらいになるとのこと。うーん、やっぱり高いですね…仮に20年持たせるとしても、1ヶ月あたりのコストに換算すると1万円を超えてしまいます。

仮に月3,000円のコストメリットがあるとして、20年持たせるとしてもペイする導入価格は70万円程度となるので、なかなか厳しいところです。営業の彼にもぶっちゃけどうなんですかね?  と聞いてみたところ、「再エネの意識がたかい、お金持ち」がメインターゲットだそうです。まぁそうなりますよね。

結論:我が家の蓄電池導入は現時点では難しい

我が家では蓄電池単体の導入はあまりにもペイしないことが改めてわかってしまいました。補助金などの制度があるか、もう少し安いモデルが出そろってくるまで検討は保留かなと。テスラの PowerWall が本当にあの価格で出てくるのなら興味深いですが、どうなるか…。

ということで、「動く蓄電池」である LEAF の比較対象として「動かない普通の蓄電池」の検討をしてみた、というご報告でした。

卒FITに向けてLEAF導入を検討してみる(1)